単4電池アダプタの試作
要望のあった単4電池の試作をしてみました。
①アクリルパイプ使用
②ダミー電池の改造
①は上の図面の通り。アクリルパイプ 10φをカットして、スズめっきされたボタンを使用するものです。
②は、金属製のダミー電池を切断して配線してものとの形に戻す方法。
①のアクリルパイプを使用する場合
今回使用したのは、外径10mm 内径8mmのもの。
全長は規格より43.3~44.5mm。(パナソニックの端子形状記載のPDFを参考にしました)
金属製のボタンとアクリルを接着するのに、セメダイン製のスーパーXゴールドを使用。
ボタンにあらかじめ電線を半田付けして、準備完了。
カットしたパイプに接着剤を塗ったら、すぐに圧をかける。(今回は指で押さえました)
ある程度動かなくなったら、電池ホルダーに入れて固定。少なくとも1時間はそのまま。
動作確認のため、単4で動くライトを100円ショップで購入。製品を入れてみた。
動作はOK。ただ、接着した部分の耐久性はどのくらいなのか? 不安は残る。
②金属製ダミー電池の加工
こっちも結構大変。まず、ダミー電池を端から15mm程度のところ2箇所を切断。
端の2個だけ、やすりで切断面を平らにする。抜いた真ん中は、保護用に先ほど使ったアクリルパイプを使用。(今回は長さ11mmでした)
高さを保つための柱として、今回は手持ちのスペーサーを使いました。
これを、樹脂側にはコニシ製のウルトラ多用途SU(クリヤー)を塗り、金属部分には先ほど使ったセメダイン製のスーパーXゴールドを使用。
樹脂側はプラス極に、金属部分はマイナス極にしました。ダミー電池の内側の構造がプラス側のみ端子があるため凹凸があり、ゴム上になるウルトラ多用途SUを、マイナス極は平らなためスーパーXゴールドを使用しました。
こちらも、固定のため数分抑えた後、電池ホルダーに入れて1時間以上放置し動作確認。
ダミー電池を覆っている保護フィルムは半田付けで縮むので取り去り、コニシ製強力補修テープ(品番#04930)を絶縁をかねて貼り直してます。
以上、試作ついでに記事にしてみました。
受注生産となりますが、こちらからお買い求めいただけます。
以下より試作量産タイプをご用意しました。
www.u-nit.shop
単3電池アダプターの製作
ずいぶん前に作ってました、単3ダミー電池を改造しACアダプターを接続することができる変換アダプターがようやく製造できるようになりました。
いくつかダミー電池を販売しているところがありますが、加工のしやすいプラスチック製の稲電機株式会社で販売している以下のダミー電池[DA-AA]を使用。
ダミ-電池(単3型)│電池を探すならバッテリーのプロショップ稲電機
※マルツオンライン(マルツエレック(株))から購入したものも同じものでした。2018/6/13
直結しているワイヤーを切ってDCジャックをつなげるのですが、このワイヤーが硬線のようで一般的なニッパーを使ってはいけません。ニッパの刃を壊します(刃こぼれします)。
硬線対応のkeiba[FC-206]を使用してます。
ワイヤーをカット。半田付けが難しいと考えて電線を圧着することに。ニチフの圧着スリーブP1.25を使用しました。
電線が細いので折り返して太めにした上で、ワイヤーと電線を圧着スリーブに入れて止める。
実際には、端子が裸だと何かと不安なので、熱収縮チューブでかぶせてます。
ということで完成。
完成品は、下記にて取り扱っております。
単3電池を使った機器にACアダプタで電源供給するための変換アダプターです。DCジャックは、φ5.5-2.1サイズです。別途、ACアダプタと必要に応じてダミー電池をご用意ください。なお、全ての製品に使えることを保障するものではありません。また、本製品を使用しての機器トラブル・損傷等に関して
単3電池アダプター [A-5521-AABAT] | u-nitショップ on the BASE
なお、ACアダプターは梅沢無線電機(株)にある物を使用。
ACアダプタ - 梅沢無線電機株式会社:電子部品の通販・販売サイト
改めて、使用したものをまとめてみました。
たとえば、3Vの機器用に製作する場合
①ダミー電池 2個 168円×2
②ニチフ P1.25 10個入り 108円
③3φ熱収縮チューブ黒1m 97円
④ACアダプター 3V 2A [GF12-US0320G] 637円
⑤マル信無線電機 DCジャック MJ-077N(2個入) 183円
⑥電線 [H-PVC 12/0.12] 1m 75円
※極細な平行線ですが、細めの単線(より線)か太くなるがVFF0.3で代用可
材料費は、梅沢無線電機の札幌営業所で集めると1,436円。
※作った当時の価格です。値上げ等により変わっている事があります。
これ以外に使ったもの
半田・半田こて・半田こて台・ワイヤーストリッパー・ニッパー(硬線対応)・普通のニッパー・ピンセット・ラジオペンチ・圧着スリーブ用圧着工具
以下追記 2018/7/8
これまた要求のあったダミー電池ダイオードタイプを作りました。
今回のダミー電池にダイオードを固定するのがなかなか大変で、1回目は接触不良となり失敗。
2回目は、半田付けする方法を検討し、沢山あるユニバーサル基板を使ってみました。
今回使ったのは、以下サイトで販売している厚さ1mmのユニバーサル基板。
短い辺の長さ12.5mmがちょうど良くワイヤーストリッパーでバツバツ切ってみる。
そして、基板に半田付けしてみる。ぴったり。
ということで、ひとまず完成。
実際に電池ボックスに組み込んで電圧を測ってみると、ACアダプターで5.03V出力時、100mA負荷で4.09Vでした。(全てダミー電池とした場合、同じ状態で4.86Vでした)
ダイオードに1N4002を使用したダミー電池ダイオードタイプは以下で販売してます。
実際に手持ちの単3×3本仕様の機器に入れてみました。TASCAM ICレコーダー DR-40です。
おーって当たり前ですが、電源もきちんと入りましたし、操作も問題ありませんでした。
ちなみに、現在は4.5VのACアダプタも取り扱っておりますので、4.5Vの場合はダイオードタイプのダミー電池を使わなくても大丈夫となりました。
以上 電池式の機器をACアダプタで電源供給する改造についてでした。